日本の国土にありながら、その支配を受けない島
腫れ物に触るように、何時の時代も黙殺されてきた島
だが、知らぬ者はいないであろう島
魂詠彌島
絶海の孤島でありながらも、訪れる者は決して少なくは無い
皆、あるものを求めてそこに足を踏み入れる
島が誕生―あるいはその以前―から存在しているものを
ついに名前の付けられることのなかったものを
ただ「あれ」とだけ呼ばれるものを
全てを得られる場所
全てを失うこと恐れなければ
その名も無きものは、あらゆるものを従え、あらゆるものに従属する
それを得し者、全ての理を得ん
そんな伝説に踊らされ、多くの者が挑み、そして命を捨てていった
そしてまた、一組の若者がその島に訪れた
他の者と同様、己等の目的を叶える為に……
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